神武天皇が日向（九州南部）出身なのは事実だが、その神武天皇の曽祖父のニニギ命は、高天原（葛城＝現・奈良県御所市高天）の出身である。＜高天原が葛城なのは、延喜式にも書いてあるし、少なくとも幕末までは、京都朝廷の公式見解だったが、江戸時代の中ごろ、民間のほう（本居宣長ら）で、勝手にその事の異議を唱え、それが明治以降、急速に力のある説になってしまった。＞

大和（畿内）は、出雲国譲りで、日本全土統一を成し遂げた。出雲国譲りとは、出雲王・大国主命が、娘婿である大和王・火明命に、出雲領土を譲渡することにより成し遂げられたのである。このへんは、播磨国風土記や国宝海部氏系図に、その痕跡が記載されている。よく、見てほしい。

出雲の大国主は、自分の娘と、大和王・火明命との間に出来た香語山命に、大王の地位が譲渡されることが約束で、大和による出雲の吸収合併を認めたのである。

そして、その後、大和王・火明命は、天照国照彦（天津と国津の両方の勢力者）を名乗り、大和大王・アマテルとして君臨するのである。

その後、このアマテル（火明命）は、日本列島の統治を強固にするために、日本各地に将軍を派遣した。なかでも、九州は重要な地で、ここの高千穂には、弟のニニギ命（神武天皇の曽祖父）を派遣した。その後、このニニギ命は三代にわたって日向の知事をつとめる。

が、やがて、大和本国で内乱が勃発、大和王朝宗家を助けるために、日向分家の若御毛沼命（神武天皇）が援軍として大和にかけつけた（神武東征）。そして、その後、若御毛沼命（神武天皇）は、磐余に居を構え、磐余彦として、大和王朝宗家（火明命の後胤）を助け、大和王朝の政治を行うようになる。

が、その関係も長くは続かなかった。それが、魏志倭人伝の倭国大乱であり、記紀における欠史八代の部分であり、若御毛沼命の後胤（神武皇統）は、火明命の後胤を、濃尾平野に追放した。そこで、火明命の後胤は尾張氏を名乗り、熱田神宮の宮司に継承された。


古事記を編纂したのは天武天皇（大海人皇子）だが、彼は幼少の折から、壬申の乱まで、常に尾張氏の援助を受けていた人物である。彼は天下を握った後、尾張氏を目の敵にしていたのは、意外に知られていない事実だ。

邪馬台国＝大和国だよ。
つまり、邪馬台国は畿内だ。

卑弥呼（媛命）は、孝霊天皇の皇女・百襲媛命であり、卑弥呼が最後に戦った相手である狗奴国の卑弥弓呼とは、許乃（この）国の彦命である武埴安彦命である。

つまり、卑弥呼は、神武天皇よりも数代後の時代の人物だ。