卑弥呼は神武より前の時代の人である。

　神武の東征は支配者の居住地（都）が日向から大和に移動した事（遷都）を意味している。遷都の時期は大和朝廷が発足した時期（神武の即位の年）で、推定するとＡＤ２８０年頃となった。一方倭人伝は作者陳壽が壮年の５０歳頃に制作されたであろうと考えるとＡＤ２８０年頃となる。従って彼は卑弥呼の死後に大和へ遷都した日本（倭国）の事情を知って倭人伝に反映できたと考えられる。ほぼ同じ時代なのでこの可能性は否定できない。

　次に地理の説明の中で女王の居所として伊都国と邪馬台国のニケ所を説明し、ニ都への距離と所要日数が記述されているのは、「倭の旧都は日向の伊都国、現在は大和の邪馬台国」と陳壽が理解していた証拠と考えられる。この結果、卑弥呼は遷都前の伊都国にいたと考えてよい事になる。
　神武の即位年の推定の結果、卑弥呼は神武より前の世代の人であると言う結果を得た事は。「卑弥呼は歴代の天皇になぜ列しないのか」という疑問を解消する事になるので、推定結果は良い方向にあることを示している。


　（出典：魏志倭人伝謎解旅　　著者　伊藤治雄　より）

魏志倭人伝より「伊都国の隣国は投馬国と呼邑国」

　「伊都国（いとこく）は末廬国から東南５００里の記述から西都市付近と考えられるが、「投馬国」も西都市にある。投馬国は帯方郡から南水行２０日で至る国であるが、ツマという発音から同じ音の妻町（西都市）と比定される。従って投馬国と伊都国は同じ地域にあり、伊都国への所要日数は投馬国と同じである。
　
　投馬国は人家が５万余戸あり、邪馬台国７万余戸に次ぐ大国である。つまり、伊都国には隣りに投馬国があり、更に呼邑国は同音から児湯郡と比定されるので、これらを総合すると、女王国・伊都国・投馬国・呼邑国は現在の西都市と児湯郡に包括され、機能的には東京の皇居・霞ヶ関・千代田区・東京都と同様な関係ではないかと推察される。つまり地理の説明からも、国の機能から考えても女王国は西都市に在ったと考えられる。
　　　

　　（出典：魏志倭人伝謎解き旅　伊藤治雄　著より）

魏誌倭人伝の「東南陸行五百里到伊都国」
（末廬国【現在の唐津】から陸を東南へ５００里（２２０Ｋｍ）行くと伊都という国に着く。）《ここがこれまで女王国だった》

　つまり、魏誌倭人伝を距離・方向を変えずに読むと、現在の唐津から東南へ５００里（２２０Ｋｍ）行くと日向の西都（サイト）に着くことになる。（「サ」は接頭語　「サイト」は接頭語「サ」＋「イト」国と読み解ける）　≪西都原「さいとばる」は魏志倭人伝から、イトコクの原を意味するものと読み解ける≫

　尚、通説では北九州の糸島郡が「伊都国」と言われているが、距離の読み替えをしないと北九州にはならない。つまり「北九州でならないといけない」と考えたために、魏志倭人伝での「一里」を「５０M」程度に読み替えしているのである。本来、魏志倭人伝の陸路「一里」は「約４００」なのである。このことの詳細は後日掲載します。