倭人伝には、不弥（ふみ）から女王国へ行くのに南とあるではないか。
女王国が畿内ならば東と書くはずである。と方位の問題を指摘している。
また、道程記事の終わりのほうに、「女王国より以北は、其の戸数・道理は略載すべきも」と畿内と
決定できない理由の１つとする。
　たしかにこれらの点からすると、卑弥呼女王国は九州と考えるのが自然である。
　さらに宣長は、道程記事とは別に「女王国の東、海を渡ること千余里、復（ま）た国有り、皆倭種（わしゅ）なり」とある記事をとりあげ、この記事は卑弥呼　女王国を畿内としては理解できない、
九州から海をへだてて東にある四国をいったものである、と九州説を固める。

　こうして、宣長は投馬国（つまこく）を日向国児湯郡の都万（つま）『西都市』に比定し、邪馬台国を九州南部とした。